山口簡易裁判所 平成2年(ろ)13号 判決 1990年10月01日
主文
被告人を懲役一年八月に処する。
未決勾留日中三〇日を右刑に算入する。
この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。
被告人を右猶予の期間中保護観察に付する。
押収してある金尺(一部切断されている)一本を没収する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は、
第一 平成二年七月八日午後二時二五分ころ、山口県吉敷郡《番地省略》先空地において、同所に駐車中のA子所有の普通乗用自動車内から金員を窃取する目的で、助手席ドアのガラスの隙間に金尺を差込み解錠していたところ、Bに発見されたため、その目的を遂げなかった
第二 別紙犯罪事実一覧表記載のとおり、同年四月三〇日ころから、同年六月一八日ころまでの間、前後五回にわたり、山口市大字《番地省略》先空地ほか二か所において、駐車中の車両内からCほか六名所有の現金合計約八万三、七〇六円及び集金鞄など二九点(時価合計約六万一、〇〇〇円相当)を窃取した
ものである。
(証拠の標目)《省略》
(法令の適用)
被告人の判示第一の所為は、刑法二四三条、二三五条に該当し、判示第二の所為は別紙犯罪事実一覧表の番号毎にそれぞれ同法二三五条に該当するが、以上は同法四五条前段の併合罪であるから、同法四七条本文、一〇条により犯情の最も重い判示第二の別紙犯罪事実一覧表番号5の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で、被告人を懲役一年八月に処し、同法二一条を適用して未決勾留日数のうち三〇日を右刑に算入することとし、情状により同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予し、なお同法二五条の二第一項前段により被告人を右猶予の期間中保護観察に付し、押収してある金尺(一部切断されている)一本は、判示第一の犯罪行為に供した者で、被告人以外の者に属しないから、同法一九条一項二号、二項を適用してこれを没収し、訴訟費用については、刑事訴訟法一八一条一項但書を適用して被告人に負担させないこととする。
よって、主文のとおり判決する。
(裁判官 大谷和雄)
<以下省略>